MAGIC title
MAGIC title
The MAGIC telescopes during daytime.
MAGIC stereoscopic observation.
The MAGIC-II telescope. This second telescope commissioned in 2009 is an advanced clone of the first telescope.
New MAGIC-I camera, installed in 2012 autumn, almost identical to the MAGIC-II camera.
A view inside the new MAGIC-I camera. The camera has 1039 channels, each of them is connected to the readout system via an optical fiber.
La Palma and a road to MAGIC...

巨大ブラックホールを持つ活動銀河核、宇宙ジェット、超新星残骸、中性子星などの天体からの高エネルギーガンマ線を観測し、宇宙の高エネルギー現象を解明することを目指しています。

News

2023-02-04[プレスリリース] 巨大望遠鏡で狙う暗黒物質からの“光” ―― 天の川銀河中心観測で解き明かす宇宙暗黒物質の起源と正体

MAGIC望遠鏡を用いて、天の川銀河中心を約7年間観測し、宇宙の暗黒物質起源の高エネルギーガンマ線を探索しました。今回の研究では、天の川銀河中心領域での暗黒物質の空間分布において様々な模型を考慮したうえで、暗黒物質になりうる新粒子として有力である超対称性粒子が予言するテラ電子ボルト以上の質量領域に世界で初めて到達しました。その結果、十分な信号は見つかりませんでしたが、暗黒物質の素粒子的な性質に強い制限を与えました。また、宇宙初期に暗黒物質がどのように作られたかについても従来のシナリオに一石を投じることになりました。詳しくは、 東京大学宇宙線研究所プレスリリースをご覧ください。

2021-04-14[プレスリリース] 多波長同時観測でさぐるM87巨大ブラックホールの活動性と周辺構造-地上・宇宙の望遠鏡が一致団結-

2017年4月、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)と、地上および衛星の多くの電波望遠鏡、可視光線・紫外線望遠鏡、X線望遠鏡、ガンマ線望遠鏡が、楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールを一斉に観測しました。この巨大ブラックホールがこのとき非常に「おとなしい」状態にあったことが明らかになりました。また、観測結果と理論・シミュレーション研究の結果を比較したところ、EHTで観測されたリング状の電波放射領域とは異なる場所でガンマ線が放射されていると考えると、観測結果をうまく説明できることがわかりました。詳しくは、 東京大学宇宙線研究所プレスリリースをご覧ください。

2020-07-10ローレンツ不変性の精密検証

2019年1月14日に発生したガンマ線バーストGRB 190114CのMAGIC望遠鏡によるガンマ線観測データを用いて、ローレンツ不変性を精密検証し、その破れに対して強い制限を与えることに成功しました。本成果は、米国の物理学専門誌Physical Review Lettersに発表されました。詳しくは、 東京大学宇宙線研究所ニュースをご覧ください。

2019-11-21[プレスリリース] 地上のチェレンコフ望遠鏡がガンマ線バーストの信号を初観測 〜誕生直後のブラックホールから過去最高エネルギーのTeVガンマ線放射を確認〜

MAGICは、天体からの300 GeV (ギガ電子ボルト) 以上の高エネルギーを持つガンマ線の光子を10秒間に200-300個という高頻度で観測しました。他の光学望遠鏡の観測結果から、この天体は、45億光年 (赤方偏移0.42) 離れており、太陽質量の100倍程度の大質量星が燃え尽きて重力崩壊し、ブラックホールになる際、対極2方向に出たプラズマのジェットから生成されたガンマ線バーストであると見られています。MAGIC望遠鏡で観測された最高エネルギーは過去最高の1 TeV まで伸びており、ガンマ線の発生機構にシンクロトロン放射以外のメカニズムがあることを初めて明確にしました。本成果は11月20日付 英科学誌Nature電子版に掲載されました。 詳しくは、 東京大学宇宙線研究所プレスリリースをご覧ください。また、東海大学からのニュースはこちらをご覧ください。

下図をクリックすると、解説動画が始まります。

さらに、MAGIC望遠鏡を含めた、電波からガンマ線までの17桁にわたる波長の観測から、ガンマ線バーストにおいて、高いエネルギーを持つ電子による逆コンプトン散乱の放射の存在が初めて明らかになりました。この成果は、Nature誌の同号に掲載されました。 詳しくは、理化学研究所ニュース(英語)金沢大学プレスリリースおよび日本フェルミ衛星LATチームのWebページをご覧ください。

2018-07-20[記者会見] 史上初、宇宙ニュートリノとγ線によるニュートリノ放射源天体の同定に成功

下記7/13に発表された、「史上初、宇宙ニュートリノとγ線によるニュートリノ放射源天体の同定に成功」について、極めて重要な発見であるため、文部科学省にて、記者会見が開かれました。記者会見は、Youtubeで御覧になれます。

2018-07-13[プレスリリース] 史上初、宇宙ニュートリノとγ線によるニュートリノ放射源天体の同定に成功

2017年9月22日に、南極に建設されたニュートリノ観測所IceCubeで、約290 TeV(1兆電子ボルト)のエネルギーを持つ高エネルギーニュートリノ(170922A)が検出され、 ニュートリノ到来方向誤差領域内にあるブレーザー(活動銀河核の一種:巨大ブラックホールと相対論的ジェットを持つ天体で、ジェットと視線方向の角度が小さい)TXS 0506+056(距離約40億光年)のガンマ線増光がFermi衛星LAT検出器で観測されました。 さらに電波、可視光・赤外線、X線から超高エネルギーガンマ線までの多波長追跡観測が行われ、MAGIC望遠鏡により、この天体からの超高エネルギーガンマ線放射が初めて検出され、400 GeV以上までのびていることが分かりました。 これらの結果は、ブレーザー(活動銀河核)が高エネルギーニュートリノ源の一つであること、ニュートリノの発生を引き起こす親粒子(陽子)が高いエネルギーまで加速されていることを示唆し、 100年来の謎である宇宙線起源の解明に大きく貢献しました。また、マルチメッセンジャー天文学における極めて重要な観測となりました。 これらの観測結果をまとめた論文は、Science誌7月13日号に、 IceCube, Fermi-LAT, MAGIC, AGILE, ASAS-SN, HAWC, H.E.S.S, INTEGRAL, Kanata(広島大学), Kiso(東京大学), Kapteyn, Liverpool telescope, Subaru(国立天文台), Swift/NuSTAR, VERITAS, VLA/17B-403チームの共著により発表されました。
研究紹介ビデオ(英語)はこちら(Youtubeへジャンプ)
千葉大学プレスリリースはこちら(PDF)
千葉大学ハドロン宇宙国際研究センターのページへ
Fermi-LAT日本グループのページへ
広島大学宇宙科学センターのページへ
東京大学理学系研究科のページへ
国立天文台のページへ

2017-12-15活動銀河核TON599から超高エネルギーガンマ線放射を初めて検出

2017年10-11月、Fermi衛星LATで活動銀河核TON599からのγ線増光が検出されました(ATel)。MAGICは、この天体を12月15日に追観測し、超高エネルギーγ線放射を10σの有為度で検出しました。観測結果は速報としてAstronomer's Telegramへ報告されました。この天体は超高エネルギーγ線で見える天体の中で三番目に遠い天体です。ATel

2017-10-04ニュートリノ事象IceCube-170922Aの到来方向から超高エネルギーガンマ線放射を初めて検出

2017年9月22日に、ニュートリノ観測所IceCubeで事象(170922A)が観測され、Fermi衛星LATは、ニュートリノ到来方向誤差領域中心から6分角離れたブレーザーTXS 0506+056からのγ線増光を検出しました。MAGICは、この天体を9月28日から10月3日まで観測し、100GeV以上の超高エネルギーガンマ線放射を5σの有意度で検出しました。これは、ニュートリノ到来方向から超高エネルギーガンマ線放射が検出された初めての事象です。観測結果は速報としてAstronomer's Telegramへ報告されました。ATel

2017-10-03パルサー/Be星連星系PSR J2032+4127/MT91 213からの超高エネルギーガンマ線放射の増光を検出

PSR J2032+4127/MT91 213は、パルサー/Be星連星系であり、その軌道周期は40-50年で、近星点は2017年11月頃と予測されています。MAGICとVERITASは、この連星系からの超高エネルギーガンマ線放射の増光(今年7-8月に比べて2倍)を検出しました。この観測結果は速報としてAstronomer's Telegramへ報告されました。ATel

2017-02-23活動銀河核 1ES 1741+196からの超高エネルギーガンマ線放射を発見

MAGICは、低光度BL Lac天体1ES 1741+196(赤方偏移0.084)からの超高エネルギーガンマ線放射を発見しました。電波、可視光、X線、γ線(Fermi衛星LAT)観測と合せた多波長スペクトルの解析から、シンクロトロン自己逆コンプトン放射モデルで説明できることが分かりました。この結果は、Monthly Notices of the Royal Astronomical Society誌に発表されました。

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